ロマネコンティが124万円する理由
ロマネコンティの平均時価は124万円です。特に1945年ヴィンテージのロマネコンティは希少価値が高く、2011年にスイスで行われたオークションで1012万円の価格で落札されています。この常識を超えたワインの値段はどこからくるのでしょうか?
以下に3つの理由があります。
■ 特級畑のブドウ種が生みだす極上品質が大人気

特級畑 ロマネコンティ
フランスではAOC法という国の法律により、ワインの品質を保証しています。ロマネコンティが造られるブルゴーニュ地方では、畑ごとに格付が行われています。この中でロマネコンティの畑は最高品質のブドウが収穫される特級畑(グラン・クリュ)に格付されています。
その特級畑でロマネコンティは二千年続く伝統的な有機農法と醸造方法によって造られています。そこから生まれてくる並み外れた芳香、力強さ、風格はこのワインを特別なものにしています。
旧来の格付にとらわれず、消費者の立場からワインを手厳しく評価することで知られる米国ロバート・パーカー氏たちからもロマネコンティは高い評価を受けています。パーカーポイント評価での各年代ロマネコンティには、「破格から傑出」の品質を示す99点~91点が並んでいます。
フランスの伝統が最上格付し、辛口の消費者代表が高評価するロマネコンティの香りと味わいは、だれもが一度は体験したい羨望のワインなのです。
■ 有名な生産者が限定生産する希少価値
ワインの品質以上に、このワインを高額にしているのはその希少性、すなわち生産量が少ないことです。
ロマネコンティの特級畑はわずか1.8ヘクタールで、ワインは年間で6000本しか生産されません(ボルドー5大シャトーで最も生産量が少ないシャトー・オー・ブリオンでも年間13万本はつくられる)。ワインに畑の名前をつけるロマネコンティは、他の畑で収穫したブドウを原料に混ぜることはしません。
このため、市場に大きな需要があるにもかかわらず、常に品薄状態が続き、価格が高騰することになります。
■ お祝い、記念日を飾る特別な意味をもつ世界一ワイン
お酒は、古くから祭りや祝いの宴会に集まった人々の祝杯に使われてきました。そこで出会うお酒の高い香りと味わいは、宴を特別で粋なものにしてくれます。大金をはたいても演出すべき晴れ舞台なのです。
特に、世界一有名なロマネコンティは、富裕層が晩さん会を開くとき競い合って求められるようになり、値段が上がりました。そして、だれもが認める極上ワインでありながら、通常では買えないほど高価になったロマネコンティを購入できることが、社会的地位を意味するようになります。ロマネコンティが「飲むより語られることの方が多いワイン」と言われる所以です。
その結果、富豪あるいそれに匹敵する地位や教養をもつ人が、人生の貴重な日に用意するお酒は、ロマネコンティでなければならなくなりました。「世界一のワインはロマネコンティでしかあり得ない」のです。
この卓越の意識が、ロマネコンティの価格を押し上げているもう一つの要因です。
■ まとめ
ロマネコンティは、フランスの法律で特級に格付される畑のブドウから造られる最高級の赤ワインです。その品質は、多方面のワイン評論家から極上と評価されています。
価格を押し上げている大きな要因は、年間で6000本しか生産されない希少性にあります。常に品薄状態が続き、価格が高騰しています。
「ロマネコンティは世界一のワイン」という卓越の意識が、価格を押し上げているもう一つの要因です。超高額になったロマネコンティを購入することが、一つの社会的ステータスになっています。